美しい朝焼けなのじゃ、わしの次ぐらいに
と言ってセレスティア学園長は朝焼けを眺めていた。
はいはい、そうですね・・・
無理やり付き合わされた生徒の一人が面倒くさそうに返事をする。
夜が終わり朝が始まる頃は闇にうごめく魔物どもの帰る時間なのじゃ
えっ?魔物なんているんですか?この世界線に・・
うむ、ネタが尽きないように何でもありの世界線なのじゃ!
じゃからこの時間の魔物は気が抜けてウトウトしながら帰路についておるのじゃ
仕事帰りのサラリーマンみたいな感じですね
ほれ、まっくろくろすけじゃ。簡単につかまるのじゃ
えっ?ちょっと違くないですか?
まっくろくろすけはもっと可愛いですよ
本当なのじゃ、よく見ると全然違うのじゃ!
魔物に劣らず学園長も気が抜けていた。
大丈夫なんですか?それ
生徒は心配そうに学園長に尋ねた。
うむ、こいつは悪魔の精霊なのじゃ💖
もう一度聞きますけど、大丈夫なんですか?それ・・
安心せい、わしぐらいになると・・・
学園長の話が終わる前に悪魔の精霊は目を光らせ、学園長に襲い掛かってきた。
が、学園長っ!!
しかし学園長は慌てる様子もない。
くくっ、粋がいいのじゃ💖
そう言うと学園長は大きく口を開けて悪魔の精霊を飲み込んだ。
そ、そんな・・・
学園長にゲテモノ食の趣味があったなんて・・・
生徒はベジタリアンであった。
た、食べてないのじゃ!
口から精霊のエネルギーを取り込んだのじゃ!
呪文を使うには大量のエネルギーを消費するのじゃが、精霊を取り込むことでエネルギーを短期間で大量に補えることができるのじゃ!
10秒チャージみたいなものですね
すると学園長に異変がおきた。
なんと学園長から悪魔の角と翼が生えた。
学園長、その姿わっ!
生徒はさすがに驚いた。
エネルギーを取り込むとその精霊の要素まで取り込んでしまうのじゃ
安心せい、すぐに元に戻るのじゃ
学園長は慣れた様子だった。
そうなんですね、良かった
生徒はホッと胸をなでおろした。
でも今日は離れて歩いてくださいね、
知り合いだと思われたくないので
なんでなのじゃ?
この姿もなかなかカッコいいのじゃ!
恥ずかしいじゃないですか!
もっと離れて歩いてくださいっ!
こうして生徒は学園長と一定の距離を保ちつつ帰っていった。
つづく
おまけ
別の日
この姿もカッコいいのじゃ!
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